近畿地域

兵庫地区(兵庫県)の取り組み

NPOとの連携

兵庫地区では、プログラムの一部を留学生支援に実績のあるNPOとともに実施しています。このNPOは、以前から草の根的に留学生の支援活動に取り組んでおり、交流事業や留学生関係のシンポジウムを開催しているほか、留学生OB・OGとの幅広いネットワークを有しています。これら特色のある取り組みを効果的に活かして留学生の就職支援につなげられるよう、「アジア人財資金構想」のプログラムでは、留学生OB・OGが自身の経験を踏まえながらアドバイスを行う講座等を実施しています。立場が近い人の経験を聞くことで、留学生が就職に対する具体的なイメージを描き、日本企業への就職意欲を高めることを目的としており、先輩の経験談に対して留学生から熱心な質問が出されるなど、本格的な就職活動に向けた意気込みが伝わってきました。留学生OB・OGという貴重な人的資源を活かした取り組みは、留学生のメンタル面での支援にもなると考えています。


企業にも変化が現れた

留学生雇用に対する企業の理解はまだまだ十分とは言えないことから、企業の人材ニーズの掘り起こしにも取り組んでいます。留学生採用に実績のある企業幹部を講師に招いて先進事例を紹介するセミナーを開催するなど、企業に対する意識啓発を実施しています。このセミナーでは、「アジア人財資金構想」の紹介のほか、企業が留学生採用を考える際に課題となる在留資格の変更手続きについて専門家からの説明を行いました。参加者からは、「グローバル化に向けて企業自身の変革の必要性を改めて認識させられた」などの意見が寄せられました。また、「将来的には採用したいが・・・」と二の足を踏んでいる中小企業を訪問してニーズの掘り起こしも図っています。企業訪問を重ねるにつれ、企業側の対応にも少しずつ変化が現れ始め、受け入れを前向きに検討する企業も現れてきました。今後も地道な努力により協力企業を増やしていき、受入体制の充実を図っていきたいと考えています。

大阪地区(大阪府、和歌山県、奈良県)の取り組み

4つの特徴ある就職支援講座

大阪地区では、就職支援に関連する4つの特徴ある取り組みを実施しています。

第1の取り組みは、「ビジターセッション」です。日本企業への就職を果たした留学生OB・OGに講師を務めてもらい、日本企業に就職した理由、会社を選んだ理由と仕事内容、日本での就職活動での成功話と失敗話などについて、後輩へのアドバイスも含めて話していただいています。これまでに、レンゴー、パナソニック、マンダムをはじめ、様々な業種の企業から講師を招いて実施しており、経験者から生の声を、就職活動の参考にしてもらっています。

第2の取り組みは、「就職支援講座」です。キャリア・コンサルタントが講師を務め、「日本での就職活動の流れ」「インターンシップ活用法」「職種・業界研究」「自己分析」などのテーマで開催しています。就職活動をより効果的に進めるために、日本ビジネス・ビジネス日本語の授業内容とも連携しながら実施しており、留学生からは「はじめて就職についてじっくり考えた」「就活の流れがわかった」という感想が聞かれ、高い満足度を得ています。

第3の取り組みは、「SPI・CAB・GAB集中講義」です。留学生にとって、SPI試験は、最初に直面する就職活動の難関です。日本人も頭を悩ますこの試験対策のために、SPI試験を専門的に指導している講師を招聘し、目の前で問題を一問ずつ解きながら、わかりやすく解説してもらっています。解き方のポイントやコツを丁寧に教えてもらえる同講義は、多くの参加者にとって、まさに「目からウロコ」のようです。

第4の取り組みは、「業界研究」です。留学生に日本の産業構造、それを構成する業界の理解を高めさせるために、繊維、精密機器、機械、一般機械、食品、自動車、観光・旅行、サービス、化学、建設など12業界(社)の訪問を実施しています。参加者に選択肢を多く提示し、視野を拡げて就職活動を展開してもらいたいと考えています。

チーム大阪”-関係者のより緊密な連携と留学生支援のために

大阪地区では、近畿経済産業局、日本語教師、キャリア・コンサルタント、インターンシップ・コーディネータ、そして管理法人が、本事業参加者の支援について、定期的に情報共有の場を設けています。われわれは、この関係者の集まりを「チーム大阪」と呼んでいます。
多くの異なる立場の関係者が集まって実施する事業であるがゆえに、関係者間の情報共有は欠かすことができません。立場の違いこそあれ、留学生を日本企業に就職させるという一つの目的は変わりません。彼らに何が必要か、徹底的に議論しながら、関係者が緊密な協力体制のもとに支援を行っています。

京都地区(京都府)の取り組み

体験型インターンシップを実施

インターンシップは、すでに日本人向けに作られたスキームを、留学生向けに形を変えて実施しました。受け入れ先の企業には「学生を新入社員のつもりで扱ってください」とお願いし、学生には「日本の企業を肌で感じて来てください」と言って送り出しました。


あえて事前に具体的な指導をしなかったのは、何も無いところから学ぶ力をつけて欲しかったのと、そこから学び得たものを大切にして欲しかったからです。


受け入れ企業側の反応も良好でした。全受け入れ企業のうち、全く初めて外国人材と触れるという会社は2割ほどでしたが、企業としても体験的な意味合いと地域にも貢献できると考えたところが多かったようです。実際にインターンシップから内定へと結びついた理想的な事例も生まれたので、成果は上々といえるでしょう。


留学生との関係構築を

今後はインターンシップ、並びに採用を検討している企業の掘り起こしに取り組みながら、これと同時に留学生の管理とケアーにも力を入れてゆきたいと考えています。


学校の授業と研修、就職活動が重なると疲れてしまいますし、すると土曜日に行っているセミナーなどはどうしても休みがちになり、一度休むと来られなくなってしまう参加者が増えてきます。


ここでどのように研修を続けさせるかが鍵になりますが、日ごろから留学生とフランクに付き合える関係を意識して付き合うようにすると、壁ができにくくなります。そのため、カウンセリング資格を持つチューターを配置して、休んだ学生には「一度相談にいらっしゃい」と言えるような関係を作り、極力ドロップアウトを防いでいく構えです。

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