国立大学法人 東北大学

Sendai Scheme(仙台スキーム)に基づくIT教育

本学では、「アジア人財資金構想」のプログラムの前段としてSendai Scheme(仙台スキーム:以下スキーム)の確立に取り組んできました。このスキームは、東北大学を含む仙台地域の大学・高専の学生を対象として実施したITシステムの企画設計・開発マネジメントの教育プログラム(平成17~18年度)を通して醸成されたPBL(Project Based Learning)の枠組みです。


「アジア人財資金構想」のASISTプログラムもこのスキームに則って実施しています。カリキュラムは、留学生が日本企業で働くことを想定し、留学生に日本人学生も加わったグループワークでのPBLを主体にしながら、要件定義・開発・設計・テストまでを実体験させて、より実践的なスキルを身につけさるのが狙いです。

多様な背景をもつ人間の交流が成長を生む

一般的に留学生は専門分野への技術・知識レベルは高い水準にある一方で、グループワークに必要な情報共有や品質管理、セキュリティへの意識が充分でないところがあります。そこで日本人学生と一緒に学ばせることで、留学生自身に欠けている部分を意識させながら、日本人学生も交えた多様性を持つチームとしてスキルアップが図られるよう配慮しました。なお、学習支援の施策として、日本人学生によるTA(ティーチング・アシスタント)を配置したことは大きな効果を挙げています。

企業の第一線のマネージャーが指導し、プログラムの進行に大きな成果

開講したクラスは全部で4つあります。OSS基礎・開発がそれぞれ2クラスという構成です。これはソフトウェア構築にあたって、要件定義から納品までの一連のプロセスを、品質管理やセキュリティ管理を意識しながら、体験させる内容となっています。このプログラムのために地元IT技術者を講師として招聘し、ビジネスの現場で培われたノウハウに基づいたトレーニングを実施しています。


今年2月には、留学生たちが大学関係者と企業関係者それぞれの前でPBLの成果のプレゼンテーションを行いました。参加した留学生の満足度も高く、講師も留学生の熱心さに感心しており、講師自身から自発的に自分のノウハウを教えたいという声も聞かれて、全体として非常によい方向に進んでいるのではないかというのが実感です。

ITビジネスを想定したビジネス日本語教育

ビジネス日本語、日本ビジネスの研修は、共通カリキュラムを参考にしながらITの専門用語を交えて、ITビジネスの場面を想定したコミュニケーションにカスタマイズしました。具体的には、IT技術者を招いてIT産業の現況についての解説を聞いた上での質疑応答の訓練や面接やインターンシップにおけるパフォーマンスやマナーの相互評価等が挙げられます。また、この研修については、留学生の日本語レベルの差があるため、基礎日本語クラスとビジネス日本語クラスの2つにクラス分けを行うことで、学生のレベルに合った授業を行いました。

就職活動

就職支援については、面接のマナーや応募シートの記入法など基本的な就職活動における技術の支援とともに、就職フォーラムを開催し、地域のIT企業と留学生の出会いの場を設定しました。


留学生の日本企業への就職意欲は高いものがありますし、日本企業に就職した後のことを考え、日本語能力をより高めようと努力するので、一見すると問題はなさそうに見えます。しかし、言葉によらないノンヴァーバル・コミュニケーションについては問題が見られるケースもあります。今後はこうした面も含めて指導していきたいと考えています。

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