学校法人 早稲田大学、公立大学法人 北九州市立大学、国立大学法人 九州工業大学

事業の背景

日本に学びに来日する留学生の数は平成18年に約11万8千人に及び、九州内に限ってみても平成18年5月の時点では、約1万2千人に上っています。しかし、留学生の増加とは裏腹に、企業の海外人材との交流や活用は今ひとつ進んでいないというのが実情です。


これまでに企業側の高度外国人材に対するニーズが低かった理由としては、大学と企業との連携が少なかったことや、企業の高度外国人材への理解不足、言葉や文化・商習慣の違いを埋め切れなかったことから、雇用に今一歩踏み込めなかった点が指摘されています。


北九州学術研究都市には、早稲田大学、北九州市立大学、九州工業大学という理系の大学院が進出しており、三大学が集まった複合キャンパスという特徴を活かした専門科目の連携などのユニークなカリキュラムを組んでいます。

実施体制の構築

本事業を円滑に推進させるために、各大学の大学院の研究科長、当プロジェクトのプロジェクトリーダー、サブリーダー、管理法人の(財)北九州産業学術推進機構(FAIS)が中心となって各プログラムを連携して実施するプロジェクト企画運営委員会を発足・組織化しています。


管理法人のFAISは全体の運営管理・調整を行うとともに、ビジネス日本語教育や就職支援等に取り組んでいます。またプロジェクトリーダー、サブリーダーはプログラム管理を統括するほかにも、専門プログラムの開発マネージャーとして、専門科目である「情報」と「環境」の教育プログラム開発にも携わっています。

「情報」と「環境」に特化した専門教育

当プログラムの中核をなす科目としてビジネス日本語・日本ビジネス教育のほかに、情報分野と環境分野に特化した専門領域科目を設けています。


情報分野では広い技術領域を有する情報システム技術分野の中で、日本企業での留学生の今後の活躍が、特に見込まれる組み込みシステム開発領域と情報システムエンジニアリング領域の2領域を取り上げて、プログラム参加学生が社会的・技術的ニーズに応えられるような専門知識と技術を習得できる専門教育プログラムを開発しています。


環境分野では、主に環境問題と資源・エネルギーの有効利用に対応できる人材の育成を目指しています。近年、アジア地域の著しい経済成長に伴い、環境の悪化と資源価格の高騰による産業界への影響が懸念されています。我が国としてもこの課題を解決に導ける人材を育成することは、経済基盤の維持・発展に寄与するだけでなく、より長期的かつ広範囲のアジア地域に貢献することにつながり、非常に有意義なことだといえます。

能力別クラスや教材を工夫して語学力の底上げを図る

留学生の出身国を見渡すと、中国からは南京大学、同済大学、上海交通大学などのアジアを中心とした留学生が学生の2割を占めており、毎年優秀な学生が巣立っています。これらの留学生はそれぞれの専門分野の教育を充実させるとともに、特にビジネス日本語教育にも力を入れています。


ビジネス日本語学教育は、主にFAIS語学教育センターが北九州市立大学と協力してプログラム開発を行っており、クラス別学習を行っています。上級クラスは共通カリキュラムマネージメントセンターが提供する教材を状況に応じて講師が教材や講義内容を追加補足し、初級クラスについては既存のテキストを中心にして講師が作った資料を教材にして学習しています。

留学生と企業の双方に波及効果

北九州学術研究都市から日本企業に就職を希望する外国人留学生は、今後も増加するものと見込まれています。この事業によって質的に高められたカリキュラムはプログラムに参加した国費留学生だけでなく、今後その他の奨学金を受給している学生や私費留学生にも活用されていくことでしょう。


北九州学術研究都市の大学に留学することにより、「環境」「情報」というこれから最も重要視されると見込まれる分野のスペシャリストとして、日本企業に就職するというキャリアモデルを作ることが出来るので、留学生と産業の双方に有意義な波及効果を及ぼすことが出来ると考えています。

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