愛三工業株式会社

スキルの高さやポテンシャルの面で留学生は各部署から高い評価

愛三工業株式会社 総務人事部 人財育成グループ マネージャー 田口 強さん

留学生採用を始めたきっかけや時期、現在の状況を教えてください。

 当社の留学生採用は、2006年から本格的に開始しました。当時は、人手不足もあり、優秀な社員を集めるために、多様化人材、すなわち国籍・性別・年齢に関わらない人材の活用をしていくことを会社の方針として掲げました。特に、留学生の採用を積極的にしていこうと決めました。2006年以前にも、通常の採用で、留学生を数名採用しており、仕事の姿勢のよさや、スキルが高かったことも、積極的な採用を決めた理由のひとつです。

 現在は、22名在籍していまして、70%が技術職、30%が事務職です。営業や人事にも配属しています。国籍は、中国が一番多くて7割以上、韓国は約1割です。他には、マレーシア、インドネシア、フィリピン、ケニアなどです。本格的に留学生採用をしてから、まだまだ期間が短いため、会社の利益に飛躍的に貢献できているというデータは出てきていませんが、スキルの高さやポテンシャルの面で、すでに各部署で高い評価を得ていますので、今後についてもかなり高い期待ができると思っています。



留学生の採用ルート、選考方法について教えてください。

 留学生採用を本格的に始めた3年前には、海外の大学の採用ルートを検討したことがありますが、おかげさまで国内の採用活動のみで中部圏を中心に、多数の学生から応募をいただいていますので、現在は特に考えてはおりません。

 留学生の採用選考は、基本的には日本人と同じで、受験科目も同じです。日本語能力は、不慣れな点を加味していますが職場でのコミュニケーションは日本語となるので、最低限の日本語能力は必要です。その他語学力としては、日本人学生と同様に英語を重視していますが、留学生は総じて秀でている方が多いので、心配はしていません。実際に、日本語能力が少し劣っていたのですが、英語が抜群によかった留学生を採用したこともあります。

 また、留学生の面接時に必ず確認しているのが、ミスマッチを防ぐ意味もありますが、本人のキャリアデザインを聞くようにしています。


入社後の処遇、研修、キャリアプラン、キャリアパスはどうなっていますか。

 人事の処遇は、日本人と同じで、区別している点はまったくありません。

 研修につきましは、ベースとして当社でつくられた職能資格制度という階層別教育プログラムを活用しています。このプログラムに沿って、日本人と同じ内容で、教育を受けていただいています。

 キャリアプランにつきましては、入社後3年経った方を対象に、キャリアデザインシートに、2・3年後にどんな分野で活躍したいか、また5年先はどうか、などを毎年書いていただいています。これも日本人と同じです。異動対象とした時に、Uターン型なのか、それともテイクオフ型なのかを見極めて、本人の希望に近づけるようにしています。

 ジョブローテーションについても、キャリアデザインシートに希望を書いていただき、希望に近づけるようにしています。

 また、定着していただくためには、本人のキャリアパスを活かしきることが大切だと思っています。お恥ずかしい話ですが、優秀なスキルを持った外国人をある部署に配属したのですが、うまくマネジメントできなかったために去られてしまった過去があり、二の鉄を踏まないよう、現在は危機感を持ちつつ、うまくいかなかった点を検証・改善しています。

 留学生のアフターケアは、面倒見のよい、各部署の先輩に頼っています。コミュニケーションのトラブルなど、問題点は特に出てきていませんが、社会的にはメンタル不全が問題とされていますので、そのようなことがないように、人事としても考えていかなくてはと思っています。


「アジア人財資金構想」に対して期待すること、要望等はありますか。

 職場から、留学生採用に対する要望として常に聞こえてくるのは、「職場での初期の苦労をできるだけ避けたい」ということです。具体的には、日本語能力はもちろんのこと、コミュニケーション能力があり、そして製造メーカーとしてものづくりがなんであるかというベースの部分を理解できている点が、重要だと考えています。「アジア人財資金構想」の”自動車産業スーパーエンジニア養成プログラム”におけるビジネス日本語、日本ビジネス教育、産学連携教育プログラムはまさに職場からの要望に合致しており、その教育を受けた後に輩出される受講生への期待は高く、企業からすると魅力があります。

 

Company Information

愛三工業株式会社

本社所在地:愛知県大府市

事業内容:自動車部品の企画・製造、エンジンの燃料供給系部品の製作、電子制御燃料噴射システム製品の製作

設 立:1938年12月2日

従業員数:連結7,926名 単独3,545名

■燃料供給系部品の専門メーカーとして、排出ガス問題に深く貢献している。

■独自の粗形材生産技術、鍛造技術を持ち、高度な生産技術を確立している。

 

「アジア人財資金構想」でいいチャンスをもらえました

楊 文彬さん
出身地:中国 河北省
出身大学:名古屋工業大学大学院 機能工学専攻
「アジア人財資金構想」 高度専門留学生育成事業 財団法人中部生産性本部
自動車産業スーパーエンジニア養成プログラム 第1期卒業生

日本に留学したきっかけや時期を教えてください。

 中国の河北工業大学卒業後、1年間の留学準備をして来日しました。高校生の時から、自動車と環境問題に興味があり、環境にやさしい自動車をつくりたいと思っていたので、その勉強をしたかったからです。名古屋工業大学に、研究生として1年間在籍後の2007年4月に大学院へ入学しました。「アジア人財資金構想」の、自動車産業スーパーエンジニア養成プログラムには同年から参加しました。「アジア人財資金構想」に参加したきっかけも、自動車に興味があったことと、日本の高い技術やものづくり精神を勉強したかったからです。実際に日本企業で働いてみて、「アジア人財資金構想」で勉強することができて、とてもよかったと実感しています。勉強した中で、一番印象に残っているのは、日本の工場長養成塾に参加したことです。日本の工場では、毎日どのような改善をしているのかがよくわかり、大変勉強になりました。



就職活動はどのような方法で行いましたか。

 自分が興味のある企業の中で、愛知県を中心に選びました。その後、エントリーシートを書きました。「アジア人財資金構想」に参加していない周りの留学生は、留学生どうしで相談してつくっていたので、とても大変そうでしたが、私は、「アジア人財資金構想」のスタッフの方に色々と相談をすることが出来たので、とても助かりました。

 全部で10社にエントリーシートを送ったのですが、企業選定している時に、「アジア人財資金構想」のスタッフの方から、愛三工業は、私が大学院で学んでいた「流体」に関する部品をつくっているから、楊くんに合うと思いますよ、と教えていただきましたので、就職先の第一希望にしました。面接の時に、自分の日本語が通じるか心配でしたが、「アジア人財資金構想」でビジネス日本語を学んでいたため、落ちついて受けることができました。愛三工業から内定をいただきましたので、就職活動を終了しました。


実際に会社に入っていかがでしたか。

 私が大学院で学んでいた「流体」を一番活かせる、第3製品開発部エボパ系開発室に配属することができて、とても嬉しいです。ここでは、自動車のガソリンタンクに設置する、キャニスターの設計と開発をしているのですが、毎日楽しく仕事をしています。キャニスターを使うことで、光化学スモッグがゼロになるという、環境にとてもやさしい仕事です。仕事はまだまだこれからですが、大変やりがいを感じています。


あなたのキャリアビジョンや夢を聞かせてください。

 1日も早く仕事に慣れて、さらに勉強をしながら経験を積みたいと思っています。10年間は日本で働きたいです。学びたいことはたくさんあるのですが、中でも、自動車文化を発展させた根本だと思われる、日本人のまじめさを学びたいと思っています。「アジア人財資金構想」に参加したことで、とてもいいチャンスをいただけたと思っています。

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