
留学生の採用を始めた時期と採用したことによる効果を教えてください。
当社は、留学生の採用枠を特段設けている訳ではありません。企業として優秀な人材を採用したいという意識があり、通常の採用ルートの中で採用した優秀な人材がたまたま留学生であったというのが実状です。
新卒採用では、今年初めて留学生の採用をしました。2010年4月新卒採用でも「アジア人財資金構想」受講生を1名採用いたしました。
キャリア採用については、以前から技術者を採用しており、現在8名が在籍しています。国籍別に見ると中国が半分で、ほかに韓国、タイ、フィリピン、ペルーの所員がおります。
今まで留学生採用を実施して、特に困ったことや問題意識を感じたことはありません。むしろ外国籍所員に接する所員には、異文化の人間を受け入れることで、視野が広がったと喜ばれています。文化の違いを知るだけでなく、留学生のポテンシャルや仕事に対する貪欲さや真摯な姿勢が、周りの人間を刺激するのだと思います。
今年入社の留学生は、崔さんとタイ国籍の方の2名ですが、周りにいい刺激を与えていってくれることを期待しています。
留学生の採用ルートや選考方法について教えてください。
採用ルートについては、特に留学生に特化したものはありません。国籍、性別に関係なくエントリーできる方式を採っています。採用試験も、新卒採用・キャリア採用ともに国籍に関わらず同じ方法で行っています。
日本語能力について留学生にハンディがある点は考慮しながら選考を行いますが、業務では日本語でのコミュニケーションが基本になりますので、相応の日本語能力は求められることになります。
また、採用試験の面接時は、どの受験者にも話の内容に論理性があるかを見させていただいています。崔さんは面接時、他の日本人と比べて遜色がないどころか、日本人以上にしっかりとしていました。また、前向きな姿勢や、自分の想いを的確に表現する様が、とても好印象でしたので採用を決定しました。
採用では、当社をよく知ってもらい、好きになってもらうということを常に意識するよう努めております。そういう感覚に共感していただければ、入社する時にこの会社で良かったと思えるでしょうし、ミスマッチで辞める方は少なくなると考えています。
入社後のキャリアプラン、キャリアパスはどうなっていますか。
キャリアプラン・キャリアパスについても日本人と同じで、区別している点はまったくありません。
キャリアパスは、所属部門長の裁量で進めています。今年の希望や数年後のことなどを、毎年2回個人面談し、今後技術を磨いていくのか、マネジメント能力を高めていくのかなどのすり合わせを行っています。
新卒の配属部門も本人の希望をかなり考慮しており、今年の新入社員のほとんどが第3希望までに入りました。崔さんも希望していた構造技術部に配属されました。
当社は年齢や勤続年数だけで仕事を決めず、自分のやりたいことを仕事にするという社風があり、技術職の場合ですと、実務に専念したいからと年長の社員が若い社員にマネージャーを頼むこともしばしばです。
このような企業風土からか、当社の離職率は、留学生も同様に、定年退職を含めても5%を切るという極めて低い割合となっています。
「アジア人財資金構想」に対して期待することや要望等はありますか。
崔さんが「アジア人財資金構想」プロジェクトに参加しているということは、選考段階で初めて知ったのですが、崔さんの優秀さを見て、「アジア人財資金構想」にとても興味を持ちました。これからも崔さんのような優秀な人材を送り込んでくれるのではないかととても期待をしております。そして将来的には、留学生を採用する際の1 つの指標になるのではないかと考えています。
「アジア人財資金構想」では、ビジネスで使われる日本語の指導など、留学生が日本企業で活躍するためのノウハウの提供により、十分な成果をあげていると思います。さらにお願いをするのであれば技術を持って、いつか母国に帰りたい人もサポートするような体制を整えていただけたらと思っています。なぜなら留学生には、「日本のよさの伝道者」になってほしいからです。それは決して技術をただ伝えるということだけでなく、技術を伝えながら母国で活躍し、さらに日本の文化を広げていってほしいと願っているからです。
Company Information

株式会社 構造計画研究所
本社所在地:東京都中野区
事業内容:エンジニアリングコンサルティング、システムソリューション、プロダクツサービス
設 立:1959年5月6日
従業員数:559名
■建築・情報・通信・製造・意思決定支援の各分野に於いて、エンジニアリングサービスを提供している。
■六本木ヒルズの構造設計・監理や、上海のスカイクレーパーの実施設計・現場監理を手掛けている。
個別面談指導が就職活動に役立った
崔 春華さん
出身地:中国 吉林省
出身大学:東北大学大学院 工学研究科 建築学専攻
「アジア人財資金構想」 高度実践留学生育成事業 東北地域 テンプスタッフ・カメイ株式会社
アジア留学生キャリアパスプロジェクト 第1期卒業生

日本に留学したきっかけや時期を教えてください。
日本という新たな地で、新しい世界に触れたかったため、留学しようと思いました。
姉が先に日本にいて、日本のよさを何度か聞いていたのも日本へ行きたいと思った大きな理由の一つです。
私は大連民族学院大学を卒業後、2006年に来日しました。2007年の4月に東北大学大学院に入学し、その後「アジア人財資金構想」のアジア留学生キャリアパスプロジェクトに参加しました。
就職活動はどのような方法で行いましたか。
学校内外の企業説明会に参加した後、エントリーシートを提出し書類選考に応募、面接を受けるという一般的な方法で行いました。エントリーシートは30社ほど送りました。面接の時は、うまく日本語で話せるか心配でしたが、事前に「アジア人財資金構想」で個別面談指導を受けていたおかげで、きちんと面接官に話をすることができました。個別指導はとても厳しかったのですが、今思えば受けておいてよかったと思います。
その後、中国の大学の時から学んでいる建築を活かせる構造計画研究所から内定をいただき、就職活動を終了しました。
実際に会社に入っていかがでしたか。
今は、構造技術部という構造設計・構造診断などをしている部門で耐震診断業務を中心に仕事をしています。大学院生時代の自己修復コンクリートについての研究が今の仕事に役立っていますが、仕事の範囲は広いので、まだまだ勉強が必要だと感じています。
「アジア人財資金構想」で学んだビジネススキルのカリキュラムは、電話対応やチケットの取り方などで役立っていることがたくさんあります。まだ仕事に慣れないところもあり失敗をすることもありますが、上司や同期に支えられて、楽しく仕事をしています。
あなたのキャリアビジョンや夢を聞かせてください。
まだ具体的なプランはありませんが、現在の目標は、一人で仕事を担当できるようになることです。将来、もし機会があれば、中国と日本の橋渡しをするような仕事にもチャレンジしてみたいと思っています。
これから就職をする留学生にメッセージをお願いします。
日本での就職を考えた時、日本語能力や専門知識の不足、または人と接するのが苦手で自信がないなど、たくさんの心配があるかもしれませんが、今のままの自分をぜひ精一杯表現して勝負してください。自分を大きく見せることよりも、今のありのままの自分を全部見せることで、内定の道が開かれると思います。最初は緊張してうまく自分を表現できないかもしれませんが、たくさんの説明会に参加して、面接を受けることで必ず慣れるときがきます。就職活動は自分がこれから多くの時間を過ごすであろう会社に入るための、重要なターニングポイントになると思います。就職活動の時間を大切にして、悔いのないように積極的に動き、自分のペースでぜひやり抜いてください。

