ツネイシホールディングス株式会社 常石造船カンパニー

現地の大学に在籍する学生が交換留学で日本の大学で学び入社できる採用ルートを検討

ツネイシホールディングス株式会社 経営管理本部 グループ人材開発室 課長代理 瀬戸 靖明さん

留学生採用を始めたきっかけや時期、現在の採用状況について教えてください。

 1994年にフィリピンのセブ島に、海外拠点をつくることが決まった時に、初めて留学生を1名採用しました。現地化していくためには、日本のビジ ネス感覚を身につけて、本社の経営方針を理解した上で、生産性を向上させてくれる外国人が必要だと感じたからです。その後は、必要に応じて、新卒やキャリ ア採用をしてきましたが、2003年に、中国に2つの現地法人を設立した時から、留学生を定期的に新卒採用するようになりました。

 2009年4月採用については、2名の留学生を採用しました。当社では現在、16名の留学生が入社して活躍しており、国籍は1名がフィリピンで、15名が中国です。

 留学生採用によって、特筆すべき成果はまだ出ていませんが、留学生も日本人も仕事の成果は10年は経たないとわからないと思っていますので、定期採用後の留学生の皆さんの活躍に期待しています。

 留学生が入社して特別困ったことはありませんが、ビザについては配慮が必要です。人文・国際ビザでは、原則的にITや品質管理、設計などの業務を 行ってはいけないことになっています。しかし、そのような業務にこそ、現地で通訳が必要だということがありますので、入国管理局には、その都度ご理解して いただけるように、説明させていただいています。特に、新卒の最初の配属先が一番悩みます。企業がもっと留学生を採用しやすいように、日本の入国管理制度 が整うことを願っています。



留学生の採用ルート、選考方法について教えてください。

 現在、留学生の採用については、大学の学内説明会に参加したり、東京にある国際留学生センター経由で、東京と大阪で企業説明会に参加しています。

 今後は、海外に在籍している方に、交換留学生として日本の大学に進学して、当社に入れるルートを作ることも検討しています。具体的には、2008 年より当社の工場があるフィリピンのセブ島バランバン町のサンホセ・レコレトス大学の付属キャンパスに3億ペソ(当時のレートで換算すると7億5千万円) の建設費を全額支援しており、同校では2009年6月から小学生と高校生が授業を受けています。将来的には同大学に工業系のキャンパスを設置する構想があ り、同大学で造船工学や海運、日本語などの勉強ができる環境を整備できればと考えています。そして、造船の基礎を身につけた学生が交換留学を通じて日本の 大学で学び、当社の技術と「ツネイシスピリット」を身につけた後に、現地法人で活躍していただけることを願っています。

 採用試験についてですが、留学生の場合は、筆記試験を若干加味していますが日本の歴史などは重要視せずに、数理的な部分や、語学力を見ています。 面接は日本人と一緒に受けていただきますので、コミュニケーション能力は日本人と同等の質を求めます。また、当社は責任感が強く、自主的に動くことに重き を置いていますので、その素質を持っているかどうか、という点も重要視しています。


入社後の人事考課、研修、キャリアプランはどうなっていますか。

 人事考課や研修、キャリアプランもすべて日本人とまったく同じです。当社の人事考課は、部門の業績評価と連動する仕組みを取り入れています。各部 門が策定した1年間の部門目標の達成に向け、社員はその年の個人目標を立てます。1年間の個人の活動と、さらに部門の活動と評価もあわせて個人の評価を 行っています。

 研修制度は、新入社員研修や勤続3年以上の社員を対象に行うグループワークを設けています。これは、部門毎に選ばれた常石グループの社員が、半年 間課題本に取り組み、基礎知識を養い、その後の半年間で班毎に共通テーマに取り組むものです。また、経営者育成研修枠の、管理職候補者研修では、毎月1回 大学の講師を招いて、丸2年間勉強しています。さらに、役員登用に向けて社長塾という研修も開設しています。以上のような年齢や役職に沿った研修内容とは 別に、自由参加型の研修もあります。例えば、半年間の実務者研修です。プレゼンや企画力、CSRや財務など幅広く学べます。語学研修やメンタルケア、ライ フプランなども行っています。


「アジア人財資金構想」に対して期待すること、要望等はありますか。

 「アジア人財資金構想」の留学生は、ある一定の学力を持ち、人間性の面でも優れている方がとても多いので、採用のきっかけを与えていただけることを大変嬉しく思っています。今後も、技術だけでなく人柄の優れた人を紹介し続けてほしいと思います。

 

Company Information

ツネイシホールディングス株式会社 常石造船カンパニー

本社所在地:広島県福山市 沼隈町常石1083

事業内容:舶の建造及び修繕

設 立:1942年4月30日

従業員数:1042名(2009年9月現在)

■3事業部門11カンパニー体制のツネイシホールディングス(株)の中核をなす。

■新造船の竣工量で、世界第6位、日本第3位を誇るグローバル企業。

 

就業前のインターンシップは必ず糧となる。

王 偉臣さん
出身地:中国 山東省
出身大学:広島経済大学大学院経済学研究科
「アジア人財資金構想」 高度実践留学生育成事業 中国地域 財団法人ひろしま産業振興機構
中国地域における高度実践留学生育成事業 第1期卒業生

日本に留学したきっかけや時期を教えてください。

 中国の高校を卒業してから、日本に来ました。日本に来た理由は、日本語を勉強したかったのと、経済大国である日本で経済を勉強すれば将来役に立つ かもしれないと思ったからです。まず2年間、日本語学校で日本語を勉強し、広島経済大学に入学しました。その後、大学院に進みました。



就職活動はどのような方法で行いましたか。

 就職活動は、大学院1年生の10月から始めました。インターネットを見たり、学校のゼミの先生に聞くなどして探しましたが、情報収集がとても大変 でした。ツネイシホールディングスは、フィリピンと中国に会社があり、国際的な企業だから働きやすいのではないかと思いました。また、企業説明会に参加し て、とても印象がよかったのでエントリーしました。その後、内定をいただいたので、就職活動を終了しました。結果的に受験したのはツネイシホールディング ス1社のみです。


実際に会社に入っていかがでしたか。

 現在は研修中です。工場で現場研修を受けたり、設計部署で学んだりしています。わからないことは先輩に聞くと、丁寧に教えてもらえるのでとても感謝しています。今後は、配属先で専門教育を受けます。

 新入社員研修中で特に印象的だった内容は、プレゼンテーションの方法と、工場研修で船の実物を見たことです。プレゼンテーションでは、仕事内容を アピールするために必要な方法を詳しく知ることができましたし、工場研修では、現場の空気を体感することができたので、気持ちが引き締まりました。また、 船の実物を見ることでそれぞれの仕事がどの部分に反映されるのかがよくわかり、仕事の大切さを実感することもできました。

 会社で働いてみて、学生時代にエクセル等のパソコンスキルをもっと学んでおけばよかったと反省しています。また、英語に関してですが、高校で学んだだけでその後あまり勉強をしていなかったので、これからまた勉強し直して、仕事に役立てていこうと思っています。


あなたのキャリアビジョンや夢を聞かせてください。

 具体的にはまだ考えていません。将来的には、海外拠点の中国やフィリピンで働いてみたいという気持ちはあります。ただし、日本の仕事のやり方や流 れが理解できていないと、海外で役に立てないと思いますので、今は仕事を理解することに集中して、しっかりと仕事ができるよう努力をしたいと思っていま す。


これから就職をする留学生にメッセージをお願いします。

 学生時代は、できるだけたくさんのことを経験するのがいいと思います。特に、仕事の体験ができるインターンシップは、積極的に参加した方がいいと 思います。就職前にインターンシップを経験することで就職後のイメージを持てるとともに、仕事に早く慣れることができます。ぜひ機会があれば参加してみて ください。

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