
留学生の採用を始めた時期と採用したことによる効果を教えて下さい。
弊社は、約20年前から留学生の採用を行っています。採用を始めた背景としては、弊社が中国を中心とした東南アジアへの海外展開に伴い、現地でビジネスを展開する橋渡しとなる人材の需要が高まったからです。
現在、在籍している外国人は約30名程度で、国籍としては中国・韓国が多く、ほとんどが技術系での採用となっています。
文系の採用では、海外現地法人の設立、運営企画や支援を目的として行っています。近年、海外展開拡大に伴い海外業務比率が高まる中、昨年度新たに人事部門で国際グループを設置し、海外現地法人への赴任者や、現地法人の人事労務の観点から様々なサポートが必要になるという背景があります。
今年度採用したフィンク君は、大学修士課程で労働問題を学んでおり、弊社の求める専門知識を含めた人材像に合っていた為採用しました。数少ない文系留学生社員ということもあり、今後の活躍を期待しています。
2010年4月新卒採用では研究開発職で海外留学生を1名採用する予定です。外国人の中途採用については、技術者主体で採用しており、9名在籍しています。国籍は、中国が主で他は韓国とタイです。採用した留学生は、国内拠点をはじめ、海外の現地法人や海外事務所においても順調にキャリアを積んで活躍しており、役員一歩手前の職域の人材も出始めています。
留学生採用によるメリットとして、企業風土の変化を感じることができます。やはり、異文化との接触により、我々日本人社員が刺激を受けることが多く社内が活性化される効果が見られます。
採用ルート、採用試験、入社後の研修、キャリアプランやキャリアパスなどはどうなってい ますか?
留学生の採用ルートとしては、基本は日本人と同じ就職サイトからのエントリーとなりますが、東京工業大学、東北大学、京都大学や立命館アジア太平洋大学などの大学で開催する、留学生向けの就職説明会にも参加しています。
採用試験については、新卒採用・中途採用ともに、基本的に日本人と同じ方法で行っています。留学生採用の固有の条件として、日本語能力については、日本語能力試験1級レベルというハードルを設けています。これは、入社後に業務を行う上で、日本語で社内のコミュニケーションをとるため、どうしても日本語能力については一定のレベルをクリアしていることが求められるからです。
研修・キャリアプラン・キャリアパスについても、日本人と同じで、区別している点はありませんが、キャリアパスについては、日本でキャリアを積み重ねて、経営幹部を目指すこともできますが、日本において専門的なスキルを身につけ、現地法人経営幹部へのキャリアパスに進む留学生も出てきています。
弊社ではPDCAのマネジメントサイクルを回し適正に評価して人材育成を進める「目標管理制度」を実施しています。毎年、期の始めに目標を設定し、2ヶ月~半年に1度所属長が面談し結果を部下と上司で共有し、人事部門にフィードバックする仕組みです。目標管理は、業績と能力の2面性から行っているのですが、能力については3-5年後の自己啓発を含めた目標設定を行い、人材育成の計画を立てていきます。
また、弊社では国際人育成計画に基づく語学、異文化コミュニケーション等の教育を行っています。具体的にはグローバルな人材育成を目指しており、主に日本人が対象になるのですが、外国語(英語、中国語)の教育を実施しており、外部講師を招聘し、社内で英語研修を実施したり、社内でのTOEIC受験、選抜者による海外での短期集中研修などを行っています。また、外国人留学生が入社することで日本人社員の刺激になっています。
「アジア人財資金構想」に対して期待すること、要望等はありますか。
「アジア人財資金構想」に期待することは、やはり採用の部分で専門分野のみならずグローバルに活躍できる素養をもった優秀な学生が集まっているという部分では、企業としては魅力があるとともに優秀な学生を輩出し続けて欲しいという思いがあります。
Company Information

株式会社 山武
本社所在地:東京都千代田区
事業内容:ビルディングオートメーション
アドバンスオートメーション
ライフオートメーション
設 立:1949年8月22日
従業員数:5,429名
■“計測と制御”の技術をもとに、建物市場、工業市場、およびライフラインや健康福祉などの市場において、ビルディングオートメーショ
ン事業、アドバンスオートメーション事業、ライフオートメーション事業を展開している。
将来は4カ国語を活用できる仕事がしたい
フィンク ジュリウスさん
出身地:ドイツ
出身大学:横浜国立大学大学院 国際社会科学研究科
「アジア人財資金構想」 高度実践留学生育成事業 関東地域
NPO法人産学連携教育日本フォーラムCareer Gateway to Asia 第1期卒業生

日本に留学したきっかけや時期を教えてください。
父親の知人から日本へ行くことを勧められ、1ヶ月間日本語学校に語学留学しました。そ の後、スイスのベルン大学在学時に1年間慶應義塾大学へ留学しました。1年間の留学でますます日本に興味がわき、ベルン大学を卒業後に再来日し、2007年に横浜国立大学大学院に入学しました。
就職活動はどのような方法で行いましたか。
初めは、大学院に入学してすぐに就職活動を行うことに戸惑いました。 日本の就職活動の文化を理解していなかったこともありますが、周りの日本人学生に触発されて色々と情報収集を行い、就職活動を行いました。就職活動で大変だったのは、筆記 試験です。言語系の問題も大変でしたが、どちらかというと、文系を専攻していたため、 非言語系の問題に苦労しました。エントリーシートは20-30社に提出し、3社の内定をもらいました。
山武ではインターンシップを経験しており、社風や社員の雰囲気など肌で感じる部分がありましたし、業務内容がよく理解できていたことと、将来性などを含め自分の希望に合っていたことから入社を決めました。
「アジア人財資金構想」の授業については、就職活動に関わる敬語や文章作成についての講義が役に立ちました。
就職活動がうまくいった要因としては、留学生同士の閉鎖的な情報共有ではなく、日本人と積極的に情報交換をし、同じ行動をすることで、色々刺激を受けたことが挙げられます。
あなたのキャリアビジョンや夢を聞かせてください。
研修は9月まで行い、今は人事部に配属され新卒採用活動の仕事をしています。これから説明会での会社説明や面接等も今後行っていく予定です。
まずは、人事で一人前になるまで色々と勉強したいです。将来的には5年後か10年後かは分かりませんが、ドイツ語・フランス語・英語・日本語等、自身の語学力を活かせる仕事をしたいと考えています。

