日本経済の2つの挑戦

グローバル化の進展―「生産現場」から「市場へ」

目まぐるしく動く国際的な経済情勢の中、多くの日本企業は更なる成長戦略を求めて、経営や生産の基盤や販路拡大のための営業拠点を海外にも求めています。このような日本企業の海外進出の動きは1990年代後半から、特に中国やベトナムなどのASEAN、NIEs域内への進出は急激な伸びを見せはじめました。


アジア諸国への進出当初、こうした海外拠点は「生産の現場」として捉えられてきましたが、ここ数年は進出先の経済成長に伴い、「市場」としての姿にも改めて注目が集まっています。このため、現地法人数だけでなく海外での売上高も順調な推移を示しており、特に東アジアでの売り上げ比率は北米に次ぐ伸びを見せています。


我が国はこうした成長著しい国々と地理的にも近く、また文化的にも多くの共通点を持っていることから、人材の獲得にも有利な状況にあります。そこで「アジア人財資金構想」は、いち早くアジア等の優秀な人材を、将来我が国と母国との架け橋となる人材に育てるため、海外の大学と日本の大学、日本・日系企業とを結ぶ人材確保と育成の仕組み作りに力を注ぎます。

人口減少社会の到来-生産性向上とイノベーションの創出

我が国の人口は2004年をピークに減少傾向の局面に入り、将来の持続的な成長を確保するためには、一人当たりの生産性の向上などの新たなイノベーションが求められています。


一方、アジア等諸外国に目を向けると、豊富な若年人口と各国の大学に在籍する優秀な学生が数多く在籍しており、こうした人材の獲得は今後の企業の成長、とりわけアジア等に進出しようとしている企業にとって重要な経営資源となる可能性を秘めています。


このような優秀なアジア等での人材の獲得競争はすでに世界規模で行われており、多くの欧米有力企業では各国の大学に直接働きかけて学生の獲得に力を注いでいます。


こうした世界の動きに対応するため、我が国産業界と大学が連携し、我が国への留学から在学中のビジネス日本語教育・日本ビジネス研修・インターンシップ、そして就職支援に至るまでアジア等の優秀な人材が日本企業の持続的な成長に貢献できる人材育成仕組み作りを「アジア人財資金構想」事業として支援します。

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高度外国人材に対する日本企業の意識

高度外国人材活用の見通し

高度外国人材の活用方法は企業によって様々なケースがあります。多くの企業は「海外拠点の生産管理や事業の中核を、現地で担うことができる人材」や「将来的に本社機能を持つ拠点で経営に参画できる人材」を希望しています。この背景には日本国内人口の減少や、グローバルな経営計画を考えたときに、国籍を問わず「より優秀な人材を得たい」という潜在的な需要の高まりがあると見られています。


経済産業省が行った調査報告書(※)によると、「今後、企業が求める中間管理層や経営層を日本人だけでまかなえるか」という質問に対して、大企業では中間管理層-56%・経営層-28%、海外展開企業では中間管理層-64%・経営層-35%が、「もはや日本人だけではまかなえない」という認識を示しています。


また、高度外国人材活用の方針が「ある、或いは未定」とする企業が約60%~70%を占めていることから、環境が整えば高度外国人材活用ニーズが急速に高まる可能性があります。


※「グローバル人材マネージメント研究会」報告書 平成19年5月 経済産業省

高度外国人材の登用-職場へのプラス効果

同調査報告書によると外国人を登用した企業では、「日本人社員にグローバルな視点が芽生え始めた」、「海外展開において言語能力、人脈、異文化間の相互理解に活用できる」、「社内において、多様な属性を活用する機運が生まれる」といったメリットを意識しています。加えて高度外国人材を活用しようとする試み自体が、会社として新たな事業への取組み姿勢を刺激している側面もあり、大きな相乗効果をもたらしているといえるでしょう。


一方で、一般的に高度外国人材に対するイメージとして、「外国人は企業への忠誠心が低い」「外国人は離職率が高い」といわれることがありますが、根拠の弱い先入観であり、実際に高度外国人材を採用している企業からは「日本人も外国人も変わらない。むしろやる気や努力は日本人社員に勝る」という声が多方面から聞こえます。


このように先進的に高度外国人材を活用している一部の日本企業では多くのメリットを享受していますが、多くの日本企業は、高度外国人材の活用の必要性を認識しつつも、採用に二の足を踏んでおり、日本企業の人材のグローバル化が進んでいないのが現状です。


その原因としてあげられるのが、「文化・習慣の違い」、「職場での意思疎通」が外国人採用を躊躇させている点であり、日本の企業文化に馴染み、職場でのコミュニケーションを担える外国人が必要です。


留学生はそのような素地を持っており、企業が求めるレベルにある人材の育成が重要となっています。


そこで「アジア人財資金構想」では、産業界と大学が連携して 1.産学連携専門教育(※) 2.ビジネス日本語教育 3.日本ビジネス教育 4.インターンシップ 5.就職支援等のプログラムを提供し、高度外国人材が日本の企業文化にいち早くなじめるような高度外国人材の育成を支援しています。


※高度専門留学生育成事業のみ

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